投機筋の動きに前倒し対応の上限引き上げか [株式]
20日の株式市場は大幅続落。日経平均株価は669円安の26568円で大引
け。プライム市場の出来高は18.4億株。売買代金は4兆円。
昨晩のNYダウは162ドル安、NASDAQ指数は159ポイント安。
NY市場は下落していたが東京市場はやや円安になっていたこともあり、プラ
スで推移していた。それが日銀会合の結果を受けて急落。
前日に松野官房長官が変更はない旨の発言していたこともあり、大方の見方は
現状維持だった。
黒田総裁は引き上げどころか必要なら緩和も辞さずとことあるごとに繰り返し
ていたことで、ここでの変更はないと見ていた。
夕刻の記者会見で黒田総裁は、長期金利目標上限を0.5%と変更に至った理屈
を言っていたが、終始苦しそうな表情と口ぶり。
どうも、意に沿わぬ形で何かの要請で変更した可能性がある。あるいは、直前
の動きで何かしらの動きを掴んだのか。
日経は現状維持の見通しを出していたが、米国のWSJは変更の見通しを出し
ていた。米国の要請だった可能性も否定できない。
中間選挙も終わり、インフレが峠を越えたため、これ以上のドル高は必要ない
ということか。
黒田総裁としても、このままだと正月休みに一気にドル高円安を投機筋に仕掛
けられる可能性があると踏んだ可能性もある。
145円を越えてから追い込まれて上限を引き上げては、日銀に対する信頼性が
落ちるため先手を打った。
とにかく、予期せぬ形の変更であり、黒田総裁の表情の苦しさは過去の自分の
発言に反したことへの苦悶ということだろう。
ドル円は132円台に入っており、チャートからは130円前後まで進みそう。本日
の株急落ではたして130円まで織り込んだかは疑問。
日経平均がTOPIXに比べ下落が大きいためNT倍率はさらに低下し、14倍
を下回り13.94倍となった。14倍割れは3月17日以来。
この時は15日から3日間だけ14倍割れで、その後相場の上昇で14倍台を回復し
ていった。
今回は値嵩株の習性という構造的なものが背景にあるため、いったん14倍とな
っても程なく13倍となりこれが定着する可能性がある。